自主管理のオーナー様から
ご相談頂く際に、
【定期建物賃貸借】契約
についての内容を
お受けすることがあります。
通常の普通建物賃貸借では、
期間満了と同時に
自動更新もしくは法定更新となり
契約期間が延長されます。
一方、
定期建物賃貸借契約は
期間満了と共に必ず契約が終了
します。
延長はありません。
通常、オーナー様からすると
末永く入居頂きたいと望まれる
と思いますが、
中には
「転勤期間中の3年間のみ賃貸したい」
と考えるオーナー様もいらっしゃいます。
そのようなオーナー様は
この定期建物賃貸借契約を利用されます。
この定期建物賃貸借。
見方をかえると、
入居者にとって大きな不利益となって
しまいかねない契約方法です。
もし入居者が
普通賃貸借契約と思って契約をした結果、
実は定期建物賃貸借契約だった場合、
入居者は必ず期間満了とともに
退去しなければなりません。
ですので、定期建物賃貸借契約を
有効に成立させるためには
要件が定められています。
①書面で契約すること
②定期建物賃貸借であることの説明
③期間満了前の賃借人への通知
①は基本的に皆さん守られています。
1点、よく勘違いされるのが、
公正証書で契約する必要はありません。
公正証書【等】と借地借家法で定められている
だけなので、別に普通の契約方式で
かまいません。
②は忘れる方が多いです。
これは要するに、
「この契約は更新がないからね。
あとから知らなかったなんて
言わないでね。」
ということを説明する書面です。
契約書とは別に、A4の紙で
説明しなければなりません。
もしこの説明をしなかった場合、
オーナー側から
「これは定期建物賃貸借契約だ」
と主張することは出来なくなります。
普通賃貸借契約と同じになってしまい、
正当事由がないと解約申し入れできなく
なってしまいます。
ご注意ください。
最も皆さんが失念されるのが、③です。
期間が1年以上の定期建物賃貸借の場合、
オーナー様は、賃借人様に対して、
期間満了の1年前から6か月前までの間に
契約終了する旨の通知をしなければ
なりません。
もしこの通知をしていなければ
期間終了を賃借人様に対抗できません。
また、期間満了前6か月を過ぎた段階で
通知のことを思い出した場合には、
すぐ通知してください。
その通知がだされた6か月後に期間満了と
なります。
通知しない限り、
いつまでも期間満了しませんので、
ご注意願います。
このように、
便利な定期建物賃貸借契約は、
方式がしっかり決まっており、
守らないと有効に成立しません。
自主管理のオーナー様も、
定期建物賃貸借を締結する場合には、
信頼できる不動産会社へ
方式の確認を行ってください。