以前、
の記事でも記載致しました通り、
事故物件の告知についての弊社スタンスは
変わりませんが、
2018.1.8発行の
全国賃貸住宅新聞に告知義務についての
記事が記載されていますので、
ご紹介させて頂きます。
こちらの記事では、
事故が生じた場合の責任は、
相続人や連帯保証人等へ追及出来る事や、
損害額の判断方法なども記載されています。
そして、
事故が起きたことを告知する期間については、
明確な告知期間は定まっていませんが、
裁判例では、
事故が生じたという心理的嫌悪感は
時間の経過とともに減少し、やがて消滅する
ことを前提していると記載されています。
判例では、
物件内で睡眠薬を大量に飲んで自殺した事件で、
事件発生から5年を経過すれば告知義務はなくなる
としたものがあります。
また、
自殺後・事故後二人目の入居希望者に対する
告知義務は存在しないという判例もあります。
オーナー様からすると、
保有物件で事件事故が発生した場合には、
一刻も早く風評被害が消滅してほしいと
思われると思います。
しかし、入居者からすると、
やはり事件事故のことは教えてほしいと
考えるものです。
今回の新聞記事に記載の内容は、
あくまで参考程度にお考えいただければ
と思います。
この新聞記事での
頑なに理論武装するのはおススメできません。
判例の事実をご理解いただき、
トラブル防止対策をして頂ければと思います。
皆さんが1棟マンションを保有している
大家さんだったとします。
その建物のバルコニーの外壁が落ちて、
通行人にケガをさせてしまったら
どうなるでしょうか。
この場合、
民法では下記のように定められています。
民法第717条第1項
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
つまり、まず最初に責任を負うのは占有者(賃借人等)です。
しかし、占有者が損害防止の注意義務を果たしていた場合には、
二次的に所有者が責任を負うことになっています。
そしてこの所有者が負う責任は
無過失責任
と呼ばれ、
過失(落ち度)がなくても
責任を負わなければいけません。
占有者も所有者も責任を逃れたのでは、
被害者がかわいそうだからです。
ですので、
占有者が自分の注意義務を立証できた場合には、
大家さんである皆さんは必ず責任を負わなければ
なりません。
投資物件を購入した時には、
火災保険や地震保険に加入しますが、
忘れてはならないのが、
施設賠償責任保険です。
これは、上記のようなケースの際に
おりる保険です。
投資物件の内容にもよりますが、
建造物の所有者は加入しておくことが
ベターです。
個人が他人にケガをさせた際の
個人賠償責任保険とは異なりますので、
ご注意ください。
現在大阪を含め、全国的に民泊が増えています。
今回は法制度などについてではなく、
民泊運営をする方への警鐘を鳴らしたいと思います。
お伝えしたいことは、
【投資用シェアハウスの被害について】の記事でも
記載した内容と重複する部分もあります。
大阪市内で、民泊ポータルサイトに掲載されている
物件数は膨大です。
しかし、それらの多くは合法ではありません。
平成29年12月31日現在で、
大阪市の旅館業許可を取得している施設は1199件、
特区民泊の許可を得ている施設は430件です。
計1629件。
ポータルサイトに掲載されている物件数は、
はるかにこの件数を上回っています。
何が問題か。
合法ではない民泊の場合、
消防法などの規定を満たしていない可能性も高く、
いざ火災の際に大変な惨事になる可能性もあります。
これから民泊参入されたい方は、
必ず許可を得て行うようにして頂きたいものです。
そして、
民泊を運営するうえで注意して頂きたいことがあります。
それは、
民泊代行会社への【丸投げ】は
やめて頂きたいということです。
投資手段としてのみの考えで、
民泊に手をだされると、
予想していた利益が上がらない可能性が
あります。
民泊代行会社とは、
オーナー様の民泊運営を代行する
会社です。
シーツやアメニティを交換したり、
清掃を行ったりします。
ポータルサイトで募集をしたりも
します。
しかし、
この代行会社にすべてを任せるのは危険です。
賃貸物件の管理を丸投げするのが
よくない以上に、民泊の丸投げは
よくありません。
民泊というのはサービス業です。
お客様がいます。
あなたが選んだ代行会社がサービスの悪い
会社の場合、確実にお客様は離れていきます。
チェックイン時の対応が悪い、
利用中のフォローが悪い、
レスポンスが遅い
このようなことで、
ポータルサイトのレビューに悪評をされ、
お客様離れが生じてしまいます。
ですので、
民泊参入をお考えの方は、
■代行会社へ丸投げしない
■依頼せざるを得なくても、基本的な内容は理解しておく
■利用率が悪い時に、自らテコ入れ出来るよう学習しておく
といったことを忘れないでください。
弊社のオーナー様で民泊で利益を
出されている方は、皆さんもちろん許可を取得されて
いますし、
何より、熱い思いで民泊をしていらっしゃいます。
海外から来られたお客様とお話を楽しんだり、
困っていることを聞いてあげたり・・・
『おもてなし』の心があります。
投資目線だけで民泊をすると、
シェアハウス被害と同じように、
お客様は離れていってしまうのではないでしょうか。
先日のヤフーニュースにて。
現在、ゴミ屋敷問題が社会問題になっていますが、
一戸建て住宅の場合でももちろん大変なのですが、
マンションの場合には特に大変だそうです。
ゴミ屋敷が発生した場合、
近隣住民の方には、
【悪臭】や【害虫大量発生】
などの深刻な被害が及びます。
入居者への注意により、
改善してくれれば良いのですが、
注意してすぐ改善される人は、
そこまでゴミをため込むことも
ないでしょう。
多くのゴミ屋敷の主は
改善が難しいはずです。
注意したとしても、
「ゴミではない」
などと主張して口論になるばかりで
話が進展しないケースもあるそうです。
行政に強制的に片づけてもらう
行政代執行なども、安易には
行えない制度です。
近隣の方は本当に大変だと
思います。
また、ゴミ屋敷の主が
行為能力のない方の場合は、
さらに解決は難航します。
マンションのような集合住宅の場合、
近隣住宅は密集していますので、
その分被害は甚大です。
区分所有マンションの場合には、
入居者への注意のあと、
改善しない場合には
集会にて決議を得て、解決策を
図っていくことになります。
賃貸マンションの場合には、
オーナーもしくは管理会社による
入居者への注意、
改善しない場合には、
身内の方や連帯保証人の協力、
弁護士の介入などで
対応することが望ましいです。
いずれにせよ、
ゴミ屋敷問題は放っておくと
どんどん悪化しますし、
入居者の精神的な問題に起因する
場合もありますので、
注意する側も、
感情的になりすぎず、
冷静に解決策を探していくことが
必要だと思います。
2018年1月1日より特例が施行されました。
遠隔地における老朽化した空き家の現地調査等には
通常より調査費用等がかかるにもかかわらず、
物件価額が低いために成約しても報酬が伴わず
赤字となるなど、媒介業務に要する費用の負担が
宅建業者の重荷となって空き家等の仲介が避けられる
傾向にあり、空き家の流通等を促進するため、
報酬額の特例が創設されました。
①特例の対象は、低廉な空家等の売買又は交換の
媒介・代理であって、通常の売買又は交換の
媒介・代理と比較して現地調査等の費用を特別に
要するものである。
※低廉とは、売買代金(消費税を含まない)又は
交換に係る価格(消費税を含まない、多い方の価額)
が400万円以下の宅地又は建物を意味する。
②特例が適用される場合の依頼者は、空家等の売主
又は交換を行う者に限る。
③報酬額は、通常の媒介の計算により算出した金額と
当該現地調査等に要する費用に相当する額を合計した
金額以内であり、18万円の1.08倍に相当する金額を
超えてはならない。
④当該現地調査等に要する費用に相当する額について、
解釈・運用の考え方によれば、「人件費等を含むもの
であり、宅建業者は、媒介契約の締結に際し、あらかじめ
報酬額について空家等の売主又は交換を行う者である
依頼者に対して説明し、両者間で合意する必要がある。」
とされている。
⑤代理の場合、通常の媒介の計算により算出した金額と
③により算出した金額を合計した金額以内とする。
※代理の場合、空家等の売主又は交換を行う者への
報酬額の上限は、媒介における報酬上限額③×2とは
ならないことに注意する。
⑥空家等の買主又は交換の相手方から受ける報酬額は、
通常どおりの計算により算出した金額となる。
遠隔地の価格400万円以下の空家を売買・交換する場合、
出張調査等、時間とお金がかかるので宅建業者が嫌がる
傾向がある。
そのため、
空家の流通促進のために、
売主・交換を行う者から頂戴しても良い報酬額は
18万+消費税まで許容する
というものです。
これにより、
例えば300万円の物件価格の空家であれば、
従来仲介手数料として
300万円×4%+2万円×消費税=151,200円
しか受領できなかったのですが、
18万円×消費税=194,400円
まで売主から受領できるようになりました。
買主からは従来通りしか受領できません。